M&A・破綻・その他

継続企業の前提に関する重要な不確実性 ひらまつ

高級レストラン23店舗、ホテル7店舗を運営する株式会社ひらまつは、高級フレンチレストランチェーンとして有名な会社ですが、監査報告書に「継続企業の前提に関する重要な不確実性」の記述がされる事態となっています。また、創業者で前社長の平松博利氏が会社を提訴するなどの混乱も報じられています。

継続企業の前提に関する重要な不確実性を指摘されたひらまつ 俯瞰する

2012~2021年3月期までの10年間の連結財務諸表を分析しました。2014年は決算期変更で6ヶ月の数字です。

企業力総合評価は2021年には43.62ポイントと定量的な破綻懸念ライン60ポイントを大きく下回っています。WARNINGも1つついており、厳しい経営状況です。下位の6つの親指標は全て赤信号領域にあります。4つ赤信号領域にあると倒産へのカウントダウンが始まりますので、厳しい領域に突入しています。このような経営状況で「通常」の経営を行っても殆ど改善しません。コロナ禍という厳しい外部環境下ではなおさらです。

営業効率は、2016年あたりまで絶好調でであったのに2017年以降5年連続悪化、コロナ禍以前に悪化し始めています。

資産効率と安全性の悪化グラフから、巨額投資の可能性があります。調べてみると2016年に指定管理者としてホテル事業に参入した後、2017年に3店舗2019年2020年2021年1店舗ずつ開店しています。ホテル業はレストラン事業に比べ各段に投資額が大きくなる上、1期に3店舗も増やすなどした為、この2つの親指標が急激に悪化したのです。2020年と2021年はコロナ禍の影響もあり、営業効率も悪化につながっているはずです。

流動性の変動の激しさは、ホテル事業の投資額の大きさと、資金調達による現金預金比率の乱高下が原因です。尚且つ、儲かってのキャッシュ流入は見込めず悪化していきます。

黄金期の2年半 ひらまつ

営業効率の各下位指標を見てみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2014年・2015年あたりでは売上高総利益率が一番高く、売上高販管比率は2013年・2014年あたりが効率的です。2016年以降、売上高総利益率・販管費率は悪化の一途を辿っています。黄金期だった2013~2015年の2年半を盤石に守り切っていないのが残念です。

ひらまつの3つの問題

2016年にオーナー社長兼シェフ平松博利氏は辞任、代表権のない会長になったあと個人でひらまつ総合研究所を設立し、広尾本店を㈱ひらまつから譲り受け、シェフに戻りました。その後、経営に携らないはずが2018年に京都に出店した赤字の店舗を研究所が買い取り、㈱ひらまつが業務委託料契約を支払う契約を結びました。これに関し2019年末、㈱ひらまつが契約解除を通告し、平松氏の提訴に至りました。

①辣腕オーナー社長の辞任・紛争、②ホテル事業への進出、③コロナ禍と3つの災禍に見舞われたのです。

①については内部の事、㈱ひらまつの現経営陣も平松博利氏もひらまつの暖簾を守りたい気持ちは同じはずなので治めるでしょう。②③については、他の飲食業・ホテル業と同じ条件になります。

一丸となって、レストラン事業、ホテル事業それぞれ、残すべき店舗と退店する店舗に分類するなど事業再構築をすすめなければなりません。

まとめ

大塚家具の父娘の闘争とその結末を思い出します。ひらまつの暖簾を守るべく、力を合わせて乗りきって欲しいものです。レストランを利用するお客さんはお金持ちが多いのです。金持ち喧嘩せず、喧嘩が嫌いで皆逃げていきます。また、700名近い従業員が生活を掛けて働いています。

20144月にも「ひらまつ」、20154月、20188月に大塚家具のコラムを書いています。合わせてご覧ください。ひらまつ2014 / 4 大塚家具2015 / 4大塚家具2018 / 8

編集後記 「けんかをやめて~二人を止めて~お金の為に~争わないで~もうこれ以上~ ♪ 」竹内まりあ         (^^♪文責JY

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