ヤマトホールディングス?の問題の発端
ヤマトホールディングス?が、人手不足を理由に、大手ECサイトとの契約見直し、料金体系見直し、配達指定時間の変更、再配達の削減を行うことを発表しました。
ヤマトホールディングス?の分析
2013年から2017年3月期決算の第3四半期データ(全期)を分析しました。
企業力総合評価は136.72P→133.64P→134.51P→132.80P→132.02Pとジワジワとした悪化トレンドです。
企業力総合評価の悪化は営業効率(儲かるか指標)の悪化が主原因です。
ヤマトホールディングス?財務分析指標時系列で確認
営業効率の下位の財務指標を示します。
4期連続増収でありますが、2016年、2017年売上総利益以外の利益は全て減益で、利益率が悪化しています。
ヤマトホールディングス?は2期連続の減益に動きました。
下図は、過去4期と毎期第3四半期の営業効率をプロットしています。
毎期第3四半期より年度の方が悪化する傾向が見て取れます。
今回の改革は、2017年度決算の更なる悪化を予測して手を打とうとしています。
以下のグラフは、総資産、売上高、経常利益、総従業員数、宅急便取扱個数の2013年第3四半期比を示します。
(総従業員数は年度末データで、2017年のみ東洋経済新報社の「会社四季報」最新データ)
売上高と総従業員数の2013年度比をみるとそれほど差異はありません。むしろ経常利益の減少が著しいようです。理由は、売上の伸び以上に宅急便取扱個数が増加し、つまり、単価が下落したため、利益なき繁忙となりました。その傾向は遅くとも2014年の段階で起こっています。
総資産の増加・利益減少と財務体質の考察
そして、総資産が増加し、利益が減っていけば、自己資本比率の悪化、つまり待ち受けるは財務体質の悪化です。
安全性親指標を示します。財務体質の悪化が確認できました。
ヤマトホールディングス?分析のまとめ
増収を追えば、利益率低下でも利益額は増加するのを良しとする会社が多く見受けられます。今までであれば、財務体質悪化がジワリと来るだけであったかもしれません。人口減少が進む昨今は従業員不足というボトルネックにも見舞われます。
ヤマトホールディングス?の事例は、日本企業の縮図でもあるでしょう。