増益・減益

やっぱり長寿企業の特質を持っている!大幸薬品 

正露丸を看板商品に持つ大幸薬品株式会社。コロナ禍で衛生管理製品クレベリンが大注目されました。正露丸は日露戦争当時、忠勇征露丸であったそうです。大幸薬品?も長寿企業です。

企業成長を俯瞰 大幸薬品

2020年3月期までの5年間を分析してみました。

企業力総合評価は168.57ポイント→168.59P→169.13P→171.13P→177.75Pと推移しています。元々かなり高かったのですが2020年更に成長しました。成長を牽引したのは、営業効率、資本効率、生産効率、資産効率です。6つある親指標の内、4つも改善したのですから、企業力総合評価の改善は当然なのかもしれません。

売上高・売上高利益率にドリルダウン 大幸薬品

営業効率を財務指標・財務数値にドリルダウンしてみましょう。改善の理由が分かります。

売上高総利益率は2020年70.68%です。売上高が激増しても2%ほどしか改善しません。製造原価は変動費が多いのかもしれませんが、製造原価報告書がないので確かめようがありません。

意外だったのは、売上高営業利益率>売上高経常利益率です。流動性・安全性良いので通常なら、財務収益>財務費用なので、売上高営業利益率<売上高経常利益率となります。

調べてみると、2016年から営業外費用に「未稼働設備関連費」が計上され始め、2020年には222百万円計上されています。これが、不等式が想像と逆になっている理由です。

「未稼働設備関連費」とは聞きなれないコストです。

建設仮勘定(建設中で未稼働の有形固定資産)が1,798百万円計上されています。2015年に完成した京都工場の一部です。クレベリン製造部分は稼働したのに、正露丸製造部分は許認可が遅れ、建設仮勘定のまま。発生した維持費(減価償却費は除く)は、製造しているわけではないので、「未稼働設備関連費」と営業外費用区分に計上しています。

医薬品そのものだけでなく製造工場それぞれにも許認可が必要。遅れると大変なコストがかかるようです。

クレベリンの躍進 大幸薬品

感染管理事業部はクレベリン、クレベリン発生機を販売しています。コロナ禍で前年対比91.5%増の9,312百万円と、正露丸の医薬品事業の5,646百万円を一気に抜いてしまいました。

長寿企業の特質 大幸薬品

2016年を初年度としたグラフを見て下さい。総資本の増加は財務体質の改善が支えています。経常利益>売上高>従業員数です。堅実な経営の会社に見られる傾向です。以前のコラムでカルビー森永製菓を見ると同じ傾向がみられます。

まとめ 

大幸薬品は、収益の柱を大切にしつつ新しい事業をコツコツ成長させてきました。コロナ禍でクレベリンの有用性が脚光を浴び、大きな飛躍となりました。規模や、商品数、特許数など悩みを抱えつつも自社の価値を守り続けて今日があるように思います。

編集後記 正露丸の名称は、大幸薬品の登録商標ですが、普通名称化したとの判決が1974年と2008年の二度にわたり最高裁で確定。どの会社が「正露丸」を商品名として使用しても本商標権の効力は及ばず、権利侵害にはあたらないとなっているそうです。でも大幸薬品の正露丸! (#^.^#)   文責JY

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コロナ禍で空前の好業績に沸く大幸薬品。

デジャブ(既視感)ではなく、現実に正に2度目を迎えます。

2009年、大幸薬品はどうなったか。

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このコラムを、SPLENDID21NEWS第179号 【2020年9月15日発行】として、A3用紙でご覧になりたい方は下記をクリックしてください。

SPLENDID21NEWS第179号大幸薬品