人材活用度

ルタオの方が有名? 寿スピリッツの躍進 次の一手は?




1952年鳥取県米子市で飴菓子製造から始まった寿スピリッツ株式会社。北海道・小樽のドゥーブルフロマージュで有名な「ルタオ」ブランドで大ブレイク。召し上がったことのある方も多い筈です。

企業分析総覧・考察 寿スピリッツ

2010~2019年3月期までの連結財務諸表10年を分析しました。

成長曲線は見事な右肩上がりになっています。成長曲線を親指標にドリルダウンすると、成長要因が分かります。ひどく右肩上がりなのは流動性です。短期の資金繰りが急速に改善しています。
儲かるかの指標の営業効率が10年連続で天井値ですからものすごく儲かっています。お金が山ほど入ってきて、流動性を改善させたのでしょうか。
資産効率も右肩上がりトレンドですね。資産効率は資産の活用度を売上高で測った指標ですから、現金が山ほど入る→資産が増える→現金(資産)以上に売上高が増えて資産効率が改善したのか、など仮説が立ってきます。営業効率が天井値で利益が出ているのですから、安全性がじわじわ上がっていくのは順当です。
分かりにくいのは、生産効率です。生産効率は赤信号領域、ほんのりとした改善トレンドでしかありません。

善循環・悪循環を見抜く際の注意 寿スピリッツ

企業を分析する時に、各財務指標の相互関連性を確認し、容易に納得できる循環もあります。逆に「あれ、何か納得できない。おかしんじゃないの!」と思うこともありますが、否定しないことです。
決算書は、現実に起こったことを数字にまとめてあるもの。実態を貨幣価値で測定したデータが間違っていると考える必要はありません。理解に苦しむ数字に、重要なナレッジが含まれているものなのです。

上がり辛い生産効率へのドリルダウン 寿スピリッツ

寿スピリッツ?の成長の秘密が隠されているかもしれない生産効率を更にドリルダウンしてみましょう。売上高と従業員数のグラフを示します。

余りに美しい両グラフの寄り添い方に絆すら感じるのは私だけでしょうか。(笑)
2016年の急増は2016年1月株式会社フランセを連結子会社化(2017年4月 合併)したことによるようです。

商品力があり、店舗を増やして人を入れる等すれば売上高が上がるのかもしれません。

生産効率 他の指標へドリルダウン 寿スピリッツ

更に別の角度から生産効率を考察してみましょう。

1人当たり売上高、1人当たり売上高総利益、1人当たり経常利益をグラフにしてみました。1人当たり売上高の改善傾向より、1人当たり利益の改善傾向の方が高くなっています。よいですね。

寿スピリッツへ同業のベンチマーク企業を提案するなら

もし、同社が生産効率改善のベンチマーク企業を探すなら、モロゾフ株式会社がよいでしょう。2010年、営業損失を出していましたが、V字回復を達成しました。生産効率の改善度合いも寿スピリッツ?を凌いでいます。

まとめ

寿スピリッツ?は、バランスよく、着実に規模拡大をしています。
バランスを欠いた規模拡大はその後の修正が難しくなる事例をよく見かけます。

編集後記 ドゥーブルフロマージュを初めて食べた時、ものすごくびっくりしました。おいしすぎる・・・
大量生産で作られ、解凍していただくにも拘わらず・・・です。 (^^♪文責JY
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寿スピリッツの解説会をします。

動画を見て、モロゾフとの比較分析で、生産効率、資産効率にどうドリルダウンして両社の戦略を評価していくかに興味のある方は下記からお申込みください。
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日時 2020年2月21日(金曜日)19:00~21:00
場所 当社会議室
料金 無料
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SPLENDID21NEWS第171号【2020年2月15日発行】をA3用紙でご覧になりたい方は下記をクリックしてください。

SPLENDID21NEWS第171号寿スピリッツ

 

 


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