Display All Japan ㈱ジャパンディスプレイが危機的状況

外国勢との競争による価格下落で、赤字が続いていた日本の各電機メーカーのディスプレイ事業のうち、スマホ向けに利益が見込める中小型液晶パネル事業のみを、日本政府系の投資ファンドである産業革新機構の主導で2012年再編、2014年1部上場を果たした会社㈱ジャパンディスプレイ。業績悪化で「台中連合」から最大800億円の金融支援を受けることとなっていたものの連合内一部離脱も報じられ、V字回復が危ぶまれています。

2015~2019年3月期の連結財務諸表を分析しました。

企業力総合評価は、104.23P(2015年)→85.83P→88.85P→63.72P→28.54Pと推移しており破綻懸念の60Pを大きく下回りました。WARNINGも3つついています。
営業効率(儲かるか)は、5期連続最終赤字で、赤信号領域を悪化トレンド、底値に達しました。㈱ジャパンディスプレイを受け皿として、経営危機にあったシャープの液晶部門(中小型液晶で当時の世界シェア2位)を救済合併するため、産業革新機構と鴻海グループとでシャープの争奪戦を繰り広げた2015年から2016年も赤信号領域にあります。この時、自社の立て直しが必要な状況でした。
資本効率(資本の利用度)も営業効率と一致し底値です。
生産効率(人の活用度)は青信号領域を右肩上がりです。これは従業員を減らし、1人当たり売上高などが改善している為です。
資産効率(資産活用度)は改善トレンドです。
流動性(短期資金繰り)は悪化トレンドが酷く、底値に近づきつつあります。
安全性(長期資金繰り)は2018年赤信号に突入した後、2019年一気に底値になりました。2018年の安全性の赤青ゼロ判別地点は一気に落下する場合が多くありますが、自社がその地点にいることを認識できる会社は多くありません。

従業員を減らして生産効率が改善している中、営業効率が悪化している場合、従業員の士気が低下してしまいます。仲間が減り、仕事量が多くなる中、今度のリストラは自分の番かもしれないと心配になり、会社の未来より自分の未来が気になってしまうのです。
これに関連し、不思議な数字の動きを見つけました。従業員が減っている中、給与・賞与が上がっていくのです。従業員数が半減しているのに給与総額は1.3倍、賞与は1.45倍です。従業員が減れば、しわ寄せがきて残業代がかさむにしろ、通常このような動きにはなりません。

役員報酬は表のとおりで、5期連続最終赤字の会社とは思えません。

いずれにせよ、従業員給与・賞与も役員報酬も高いからと言って業績は上がるわけではないという事例かもしれません。

営業効率の各下位指標を見てみましょう。
2015年の段階から売上高営業利益率はほぼ0%で、その後、ほとんど改善していません。
2018年は売上総損失がでる危機的状況でした。

2012年のDISPLAY ALL JAPAN編成、2014年上場を果たしていますが、船出の段階から、何か問題があったのではないでしょうか。
そして、2015~2016年鴻海グループとシャープ救済で争った時、経営状況を十分理解していたのでしょうか。

まとめ
存続と成長を分けて戦略を練る必要はないでしょうか。順調な大規模企業であれば、同時に両方狙えますが、規模が大きくても業績や財務体質が悪い場合、規模が小さな企業の場合は、今自分が存続を確保すべきか、成長に打ってでられる状況かを見極め、時系列で戦略を立てる方が良い結果を得られるのではないでしょうか。

編集後記 ダイエットをすれば、筋肉も一緒に減ってしまいます。筋肉をつければ、体重が増えてしまいます。体重が減って筋肉が増えるようにするのは難しい・・・その話じゃない?失礼しました。(^^♪  文責JY
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