M&A・破綻・その他

セグメント別分析 富士フイルムホールディングス 




今回は、富士フイルムホールディングス株式会社を分析しました。1934年に写真フイルムの国産化を目指すため、大日本セルロイド社(現:ダイセル)の写真事業を分社して「富士写真フイルム株式会社」として設立されました。1962年には、イギリスのランク・ゼロックスと業務提携し、複写機メーカー・富士ゼロックス株式会社を発足、2006年10月1日からは純粋持株会社となりました。

「町のお医者さん」と「総合病院」をITネットワークでつなぎ、地域医療ネットワークの広がりを描きながら、医師不足などの医療問題の解決策を構築し、また、フイルムの主成分がコラーゲンであることから、化粧品分野に進出など、新しいことにチャレンジする会社です。

企業力総合評価は、147.67→131.83→116.45→148.53→134.95と青信号領域を推移しています。2009年は悪化成り行き倍率(破たん懸念60点までの企業余命)が5年、2010年は4年、2012年は6年です。かなり、乱高下する会社です。

営業効率(儲かるか指標)・資本効率(資本の利用度)は、2009年2010年と悪化し赤信号領域でした。2011年2012年は青信号領域ですが、悪化トレンドの様相です。

生産効率(人の利用度)は、4期連続悪化トレンドです。ここに富士フイルムホールディングス?の問題があります。悪化が連続する時は要注意なのです。

資産効率(資産の利用度)は赤信号領域です。投資等を活発にするためでしょう。

流動性(短期資金繰り指標)は青信号領域です。

安全性(長期資金繰り指標)は、ほぼ天井値です。

総括すれば、財務体質は良く、投資等も活発であるが、営業効率が不安定で、生産効率に問題があるといえます。(上記SPLENDID21のグラフから読んでいますので、財務指標という定量分析から推察されること、と捉えて下さい。)

富士フイルムホールディングス?は以下の3つのセグメント事業を行っています。

営業効率の各下位指標を見てみましょう。

驚くべきことですが、イメージングSは、6期連続で赤字です。SPLENDID21NEWSの熱心な読者の方に説明は不要でしょう。

富士フイルムホールディングス?は国内売上46%、海外売上54%です。2006年4月から2012年3月の間に為替は113.83円から82.79円と27%も円高になりました。これは、日本の多くの企業に大きなダメージを与えました。

セグメント別の従業員の推移を調べてみました。

イメージングSの従業員数は、売上が48%減り、赤字であっても、2009年の減少以外は目立った減少は見られません。生産効率の悪化はこれが原因なのでしょう。

営業利益率の安定しているドキュメントSの従業員数を増やしています。

まとめ イメージングSは、6期連続営業損失です。創業事業にメスを入れ辛い

例は、同社に限りませんが、企業のホコロビであることは違いありません。

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SPLENDID21NEWS第88号【2013年3月15日発行】をA3用紙でご覧になりたい方は下記をクリックしてください。

sp21news088富士フイルムホールディングス


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