規模拡大

ユニ・チャーム 財務分析指標でグローバル戦略を検証




今回は、ユニ・チャーム?の分析を見てみましょう。ユニ・チャーム?は、ベビー用紙オムツを中心とするベビーケア用品、ナプキン・タンポンなどの生理用品、大人用排泄介護用品、シートクリーナーなどの掃除用品、ウェットティッシュや立体型マスク、ペットケア用品などを製造・販売しています。2008年、新中期経営計画「グローバル10計画」を策定し、現在、世界78カ国で展開していますが、さらなるグローバル化を図り「不織布・吸収体事業でアジアNo.1、グローバルシェア10%世界トップ3」の企業への飛躍を目指しています。 それでは、SPLENDID21による分析結果を見てみましょう。

ユニ・チャーム分析

総合評価は着実に伸びています。営業効率(儲かるかの指標)も5期連続、ほぼ天井を打っています。生産効率は改善に反転しました。流動性(短期資金の状況)は順調に伸びています。安全性(長期資金の状況)もほぼ天井を打っています。

5年間で796億円の当期純利益をあげましたが、そのうち524億円は現金預金で保有されているため流動性の急改善に繋がっているようです。

営業効率の各指標を見てみましょう。

ユニ・チャーム売上高営業利益率時系列データ

売上高は4期連続増加しています。売上総利益も4期連続増加しています。ただ、売上総利益率は4期連続下落しています。売上高の増加が売上総利益率の悪化をカバーし、売上総利益ベースで増収増益を確保したようです。

ユニ・チャーム売上高利益率グラフ

少し、利益率の連続下落が気になりますね。

商品別売上高の推移を見てください。ペットケアその他の商品を除きどの商品群も増加しています。

ユニ・チャーム商品別売上高推移

地域別売上高の推移を見てください。すべての地域での売上が増加しています。

ユニ・チャーム?の強さが表れているようです。

地域別営業利益率推移を見ると、アジア地域が伸びています。営業利益率の下落が激しい日本に売上ボリュームあるため、営業効率が下がっているのではないでしょうか。

今後、アジア地域での売上を更に増やして来るでしょう。そうすれば利益率は反転して改善に向かうと思われます。

ユニ・チャーム地域別売上高・利益率推移

まとめ 

日本経済の縮図を見るような分析結果です。1961年に現取締役会会長高原慶一朗氏が、愛媛県で建材の製造販売から創業され、成長分野、地域を求めて会社を成長させて来られました。セグメント分析は中小企業でも必要です。何が原因で悪化しているか、何をすれば利益率が上がるかを明確に教えます。

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SPLENDID21NEWS第41号【2009年4月15日発行】をA3用紙でご覧になりたい方は下記をクリックしてください。

sp21news041ユニチャーム


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